親のありがたみは親になってみないとわからない、と言うけれど

草木でthank youの文字 親子関係

草木でthank youの文字

「親のありがたみは親になってみないとわからない」という言葉。

自分の年齢やライフステージによって、ずいぶんと受けとり方が違ってくる言葉のように思います。

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母から娘へ

芝に家族3人が手を繋く姿の影

この言葉を初めて言われたのは、実の母からでした。

反抗期が長かったこともあり「今は親の気持ちなんか分からないと思うけど、親になった時に怒ってくれたことをありがたかったと思うもんよ」と事あるごとに言われていて、その時はただただ鬱陶しくて聞き流していました。

やっとその意味を考え出したのは、社会人になってから。
会社の大先輩に「めいちゃん、そんな風に育ててもらったことをご両親に感謝しなきゃいけないよ」と言われて不思議そうにしている私に、先輩はこう続けました。

社会のどこに出ても恥ずかしくないような女性に育ててもらうことって、当たり前じゃないんだよ

身内でも友人でもない、尊敬していた先輩にそんな風に言ってもらえたことがとても嬉しくて、母が言っていたことが少しだけわかった気がしました。

母から結婚して家庭をもった娘へ

ブーケと結婚指輪

27歳の時に結婚をして家庭を持ってからは、両親への感謝は深まるばかりでした。

実家に住んでいる時に家事は一通りやっていたものの、お手伝いで良かった時とは違って自分の責任ですべてを行うことは慣れるまで大変だったし、独身時代と比べて経済的余裕もなく、随分と甘えさせてもらっていたんだなとしみじみ思ったことを覚えています。

めい
めい

結婚して、お父さんお母さんのすごさやありがたみをより感じるようになったよ~

という私に「本当に理解できるのは子どもをもった時よ」という母。
この頃は「そうだよね、育てる苦労は経験しないとわからないもんね」と納得していました。

親になることを期待し、期待されていた時期

母からいつまでも親にならない娘へ

30代に入ると、子どものことについてあれこれ言われるようになります。

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母もそういう一人です。

そんな中で「親のありがたみは親になってみないとわからない」と言われた時は、

・私の気持ちを勝手に決めつけつけないで欲しいという怒り
・親になれない私は半人前だと否定されているような気持ち
・子どもを期待されているというプレッシャー

たくさんの気持ちが入り混じって、心はズタズタでした。

何より、親になれていないという負い目から「そんなことない!」と否定できないことが何より辛かった。

親になった親友たちの言葉

親になった親友たちが「今になって親の気持ちがわかる」と話してくれる時だけは、「そうなんだろうね」と素直に話を聞くことができました。

きっとそれは「子どもっていいもんだよ」と押し付けることもなく、子どもがいてもいなくても、私個人を認めてくれていると感じていたからだと思います。

40歳目前の、今になって思うこと

今は、「そうだよね」と素直に受け入れることができています。

子どもを育てるという経験をしていない私は、どんな幸せがあるのかどんな苦労があるのか、想像はできても本当の意味では分かりようがありません。

幸いなことに、姪っ子甥っ子を預かったり友人の子どもと遊ばせてもらったり、子どもと関わる時間を持たせてもらっています。
そのほんの一部に関わらせてもらうだけでも、愛情と責任を持って子育てしている人に対する尊敬の念がたくさん湧き上がってくるのだから、分かるなんて言うほうが失礼だなと考えるようになりました。

子育てに関わらず、経験した人にしか分からない気持ちがあるのは当たり前のこと

ただ、やっと受け入れられたことを、他人に言われるのはやっぱり納得がいかないし、自分以外の誰かに同意を求めるつもりも一切ありません。

子育ての苦労は理解することはできないかもしれないけど、育ててくれた両親への感謝の気持ちはずっと変わらないし、それを伝え続ければいい。今はそんな気持ちでいます。

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