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夫が同居を希望した最たる理由が「子どもを両親と祖父母のいる環境で育てたい」というものでしたが、結局それは叶いませんでした。
30代後半になった今でこそ、子どものことについて何か言われたり聞かれたりする機会はずいぶん減りましたが、色んな方に色んな事を言われたなぁ。
その中でも、友人から言われた忘れられない言葉があります。
先日その友人から連絡があったことで、その時の記憶がふと蘇ってしまってどよーんとしてしまいました。
私は九州の田舎育ちで、様々なコミュニティーの繋がりがとても強い環境で育ってきました。
盆正月の親戚の集まりは総勢30名を超えますし、ご近所はほとんど知り合いで、庭のフェンス越しに声を掛け合って晩御飯のおすそ分けなどをする関係です。
そんな中で、独身の時は「彼氏はおらんとね?早く結婚して両親を安心させてやらな」、結婚したらしたで帰省するたびに「まだ子どもおらんとね?早いうちにどんどん産まなよ~」というような事を言われ続けてきました。
ズケズケと、凄いんです(汗)
ただ、人との距離感が近い環境で育ってきたせいか、そうやって言われ続けることに対して違和感がさほどなく、笑って受け流すことができていたんですよね。
悪気は全くないのです。慣れって恐ろしい・・・。
関東に引っ越してから感じたカルチャーショックはたくさんありますが、人との距離感の違いもその一つです。
とてもアッサリした人間関係。
初めは冷たく感じてしまった距離感ですが、深入りしすぎないのは、自分だけでなく相手のプライベートを尊重するという意味合いも大きいのだな、ということに気が付くと、心地良さを感じるようになっていきました。
「子どもはいるの?」と事実関係を確認されることはあっても、それ以上の話になりません。育った環境との違いに驚きつつ、繊細な心遣いをして下さることが新鮮でとても有り難かったです。
あっさりとした関係に心地良さを感じていたものの、プライベートな付き合いでは元来もっていた人懐っこさそのままに、関係を築いていました。相手に、一線を引いているようには感じさせていなかったと思います。
それでも、子どものことに関しては、よっぽど近しい関係である友人にしか詳細まで話すつもりはなくて、地元にいた時に身に着けたスルー力で笑って交わしていたんですよね。
結婚5年目の32歳くらいの頃だったと思います。
「めいは、子どものことどう考えてるの?欲しいと思ってるの?」と聞かれたので「こればっかりは授かりものだからね、授かったらいいなと思ってるよ」と応えました。
すると、友人はこう続けたのです。
そうなんだね。それならいいんだけどさ。”みんな”、旦那さんとうまくいってるのかとか、子ども欲しくないのかなって心配してるよ。
「そっかそっか~」と返事をしたものの、顔は引き攣ってしまっていたと思います。
私がいないところでそんな話してるんだ
心配してるような言い方してるけど、興味本位だったのかな
陰でそんな話をされていることを伝えて、平気だと思ってるのかな
どうして私にそんなこと話したの?なんでなんでなんで?
そんなことが頭をぐるぐると駆け巡り、心臓がバクバクしたままでした。
今なら、どうしてそこまで深く傷ついたのか分かります。
「いつも笑ってて楽しそう」「悩みとかなさそうだよね」と良く言われていたのですが、本当の私はそんなんじゃありませんでした。そんな印象を持たれたのは、いつも人にどう思われているか気にしていて、良く思われたいから、悪く思われなくないから、少し嫌なことを言われてもへらへらと流したりかわしていたから。
「何を言っても傷つかず笑って受け止めそう」と思わせてしまうような付き合いをしてきた自分に、心底がっかりしたのです。
今となっては、自分自身や人との付き合い方を振り返り見直す、いいきっかけになったと思えています。だけど、思い出すとやっぱり胸がちくちくするのでした。
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